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症状について


脊椎すべり症では自覚症状が起こらない患者さんも多く、その原因は脊椎にある椎弓部が分離骨折した状態でも、健全な靭帯や筋肉がそれを補うように機能するからと言われます。

つまりこれらの機能が十分な人であれば、脊椎すべり症の痛みは全く無いと言っていいでしょう。またそうでない場合、靭帯や筋肉が弱く、それに重なって、悪い姿勢を続けることで、脊椎すべり症の痛みが起きるケースも多くあります。

また単に脊椎分離症である場合、安静にしていることでも何も起きない場合が多くありますが、普段の生活を続け、腰への気配りも少ないというケースでは、脊椎が分離しているために脊椎間が安定性を失い、また椎間板や椎間関節にも負担がかかることで、徐々に慢性的な痛みを覚えることになります。

脊椎すべり症の痛みが出た後、初めは朝起きたときに腰全体に重苦しさを感じたり鈍いような痛みを感じることがあります。また、その状態で姿勢に問題のある仕事をすることで、脊椎すべり症の痛みが悪化してしまいます。

特に下肢の部位での神経症状が出るようになるとヘルニアを併発している可能性が高いです。ヘルニアではない場合でも、病状が進行すると椎間孔という部位がゆがみを起こし、神経を圧迫するため、やはり下肢に神経症状が出ます。

これ以上放置し、また負担をかけますと、腰部脊柱管狭窄症に発展する恐れも十分にあります。若い方に多いのが脊椎分離すべり症ですが、少年期に激しいスポーツをしたことで、疲労骨折を起こし、それが生活習慣の悪さなどに重なって発症する例が多くあります。

また、脊椎変性すべり症は高齢期の女性に多く見られますが、原因ははっきりと分からない場合が多くあります。初期の状態では腰が鈍かったり、重苦しかったりで、それほど気にはならずに放っておくという方も少なくありません。

しかし、脊椎すべり症は進行してからの治療はなかなか難しくなります。難しいことかもしれませんが、やはり若いうちから気を使っておくのがベストです。

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